自動車電気装置整備士とは、自動車の電気装置の点検、修理、改造などを行い、自動車の電気システムを整備するスペシャリストに与えられる国家資格です。近年、車の電子化が進み、保安部品の装着が高まり、自動運転車も登場してくる現状を考えれば、これからは高い整備能力に加え、高度な診断能力を持った技術力が必要となります。電気の基礎を修得し、高度化する技術変化に対応できる電気系統の専門家として取得しておきたい国家資格です。
毎年3月に行われる国家試験(登録試験)を受けます。試験は「学科試験」と「実技試験」があります。学科試験は、基礎工学、法規、検査、電気の基礎、バッテリー、充電装置、始動装置、灯火/保安装置、冷暖房装置(フロン類回収、破壊法)電子制御装置、法令などで、実技試験は中間・修了・実技試験などです。
受験資格は、国土交通省が認定する専門学校・大学などの整備士を養成する過程を修了した人は実務経験なしで、それ以外の人は実務経験が必要とされます。実務経験は、学歴により異なりますが、1年6か月以上と2年以上とになります。
各都道府県の全国自動車電装品整備商工組合と自動車整備振興会から「二養講習会」募集案内が出されます。毎年10月から翌年3月にかけて10数回の講習会が催されます。
講習会に必要なテキストは、各県の全国自動車電装品整備商工組合が取り扱っています。電気装置整備テキストは、どなたでも購入できます。
国が認証する「優良自動車整備事業者(電気装置整備部門)」を取得するには、この自動車電気装置整備士資格取得者が2名以上必要となります。優良自動車整備事業者は、高度化する車の点検・診断するエキスパート事業場で、スキャンツールを始め、あらゆる車両に対応できる装備を有しています。